コスプレイベント会場カラーメーター測定結果
Sun, 08 Jun 2014 14:21:59 JST (3618d)
Top > コスプレイベント会場カラーメーター測定結果
はじめに
太陽の光や部屋の照明などの定常光だけで、あるいは(真っ暗な部屋で)ほぼストロボの光だけで写真を撮っていれば気にする必要はない(あとでRAW現像やその後のレタッチで直せる)のですが、両方を使って撮っていると、ストロボの光が強く当たっている被写体とそうでない背景で色がずれる、たとえば被写体の白い服を白く調節すると背景が青っぽくなってしまうことがあります。これは2つの光の色があっていないためです。大概のストロボに色を調節する機能は付いていませんので、ストロボの発光部にカラーフィルタを付けてストロボの光の色を周囲の光の色にあわせる必要があります。
しかし、どれくらい色が異なるかを測ってその差に応じたカラーフィルタを付けようとしても、色の違いを計測するカラーメーターはそれなりに高価です。しかし、定常光が部屋の照明であれば、照明を交換しない限りいたん計測した結果を使い回すことができます。そこで、手持ちのカラーフィルタで測定した結果を公開することにしました。
それぞれの値の意味
- LB(ライトバランス)値は。光の色のうち赤~青の方向を数値化したものです。色温度と対応します。カラーメーターで測定します。マイナスの値が赤方向、プラスの値が青方向です。0をどこに置くかは使用するカラーメーターによりますが、このページでは色温度5500Kを0としています。
- CC(色補正)値は、光の色のうち緑~紫の方向を数値化したものです。カラーメーターで測定します。この値はプラスマイナスを使わずに、緑方向であればG、紫方向であればMを付けます。
- EV値は、その場所の明るさを示します。数値が大きいほど明るいことを示します。露出計で測定しますが、デジカメで撮るときにもある程度わかります。色の調節には関係ありませんが、参考に示します。
測定結果の使い方
- まず、手持ちのストロボと写真を撮りたい場所の間でLB値とCC値がどれくらい異なっているかを求めます。差が小さければ補正する必要はありません(補正しなくても気になりません)。
- LB方向の補正には、カラーフィルタのうち「LBA」「LBB」を使います。たとえば、フィルタなしでLB値-20のストロボにLBA16を使うと、-20-160=-180のためストロボ光のLB値が-180になります。同じストロボにLBB8を使うと、-20+80=-60となります。
- CC方向の補正には、カラーフィルタのうち「CC」の、末尾が「M」または「G」になっているものを使います。たとえば、フィルタなしでCC値10MのストロボにCC20Gを使うと、10M+20G=10Gのためストロボ光のCC値が10Gになります。同じストロボにCC40Mを使うと、10M+40M=50Mとなります。
- ただし、発光部の形状の都合から、ストロボ光の100%がカラーフィルタを通らない場合は、上記より効果が弱くなります。
- カラーフィルタは複数重ねることもできます。この場合はそれぞれのフィルタの効果が単純に加算されます。ただし同時にストロボ光が弱くなりますので、光量不足にならないかも注意してください。
測定条件
- EV値の測定は、ISO200で行っています。これ以外の感度で使用する場合は換算してください。
各地の測定結果
福島
ビッグパレットふくしま
EV | LB(色温度) | CC | |
展示ホール | -26(4810K) | 0 |
東京
東京ビッグサイト
EV | LB(色温度) | CC | |
東ホール南端部 | 7.7 | -13(5140K) | 24M |
東ホール中央部 | 8.5 | +32(6690K) | 14M |
西4ホール北端部 | 8.0 | -66(4030K) | 1G |
TFTホール
EV | LB(色温度) | CC | |
入口 | 9.3 | -23(4880K) | 14M |
ホワイエ壁側 | 7.9 | -33(4650K) | 13M |
トイレ前 | 9.1 | -37(4570K) | 5M |
ホール500 | 8.9 | -169(2850K) | 1M |
主催者控室前 | 8.3 | -52(4270K) | 2M |
晴海客船ターミナル
EV | LB(色温度) | CC | |
3階屋内 | 5.5 | -89(3700K) | 13G |
東京都立産業貿易センター浜松町館
EV | LB(色温度) | CC | |
5階北側 | -24(4870K) | 17M |
神奈川
川崎迎賓館
EV | LB(色温度) | CC | |
-191(2680K) | 2G |
千葉
幕張メッセ
EV | LB(色温度) | CC | |
2階通路 | 9.6 | -34(4630K) | 3M |
ホール中央部 | 7.4 | -55(4220K) | 1G |
やすらぎのモール | 10.0 | -26(4800K) | 5G |
ストロボ光の測定結果
SUNPAK auto16R pro
フィルタはFUJIFILM製のゼラチンフィルタの10cm×10cmの中央部をくりぬいて使います。
フィルタ | LB(色温度) | CC |
なし | -19(4990K) | 9G |
LBA16 | -131(3190K) | 11G |
CC20G | -16(5050K) | 8M |
Metz 54MZ-4i
LumiQuest LQ-121 FXtraを使うと、カラーフィルタを発光部に付けることができます。FXtraにはいくつかフィルタが付属しますが、これ以外はFUJIFILM製のゼラチンフィルタの7.5cm×7.5cmを半分に切って使います。
フィルタ | LB(色温度) | CC |
なし | -2(5430K) | 3G |